袴褶(読み)こしゅう

精選版 日本国語大辞典 「袴褶」の意味・読み・例文・類語

こ‐しゅう‥シフ【袴褶・褶】

  1. 〘 名詞 〙 乗馬の時に用いるはかま。中国南朝の時に盛んに用いられ、礼服となった。うまのりばかま。
    1. [初出の実例]「隋の煬帝の時、軍旅事しげく、車駕行幸しばしばなるによりて、袴褶の制便ならず」(出典:制度通(1724)五)
    2. [その他の文献]〔晉書‐楊済伝〕

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普及版 字通 「袴褶」の読み・字形・画数・意味

【袴褶】こしゆう(しふ)

馬のりばかま。〔南史、斉高帝紀〕(建元三年秋九月辛未)蠕蠕(ぜんぜん)國王、はし、に魏を攻めんと欲し、師子皮の褶を獻ず。

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世界大百科事典(旧版)内の袴褶の言及

【褶】より

…おそらく日本固有の衣服形態に淵源する衣服と考えられ,682年(天武11)に脛裳や(ちはや)等とともに廃止された。これは685年に制定された朝服が,唐の朝参の服であった〈袴褶〉,すなわち上衣・下袴の制をとり入れたものであったことと対応する。褶は大宝衣服令で〈礼服(らいふく)〉として再び規定されるが,これは礼服の制度に日本的な独自性を盛り込むことにより,日本的な礼の秩序の存在を東アジア世界に喧伝しようとしたためとみられる。…

【服装】より

…天武朝に定められた〈朝服〉は,特別な儀式の場だけでなく日常の勤務の次元でも着用すべきものとなった。この衣服は唐における朝参の服たる袴褶(こしゆう)の制を踏襲して,いわゆる袍袴(ほうこ)形式を採用したものであり,胡服系のズボン型の衣服であった。スカート型の〈褶〉はこれにともなって位冠とともに廃止されるが,大宝衣服令ではこれらが再び〈礼服(らいふく)〉の体系として採用される。…

※「袴褶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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