中国,南朝の歴史をあつかう正史。本紀10巻,列伝70巻。北朝の歴史をあつかう《北史》(本紀12巻,列伝88巻)とともに初唐の李延寿が父の李大師(570-628)の遺志をついで完成した。《南史》は《宋書》《斉書》《梁書》《陳書》を,《北史》は《魏書》《北斉書》《周書》《隋書》をそれぞれ簡略にまとめるとともに,いくらか他の材料も用いている。もとづくところの8種の正史よりひろく読まれたのは,叙述が簡略であることのほか,一族の人物を王朝の興亡とかかわりなく1ヵ所にまとめて記述する家伝の方法を用いたことが,南北朝時代の門閥貴族社会の実情をよく伝ええたからである。また南北朝時代に書かれた正史では,南朝側は北朝のことを〈索虜(さくりよ)〉とよび,北朝側は南朝のことを〈島夷(とうい)〉とよんで互いにさげすみあったが,このような偏見も解消されている。因果応報譚などの小説的要素に富むのも特色である。
執筆者:吉川 忠夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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