裏見滝経塚(読み)うらみのたききようづか

日本歴史地名大系 「裏見滝経塚」の解説

裏見滝経塚
うらみのたききようづか

[現在地名]大村市重井田町・立福寺町

裏見ノ滝の岸壁から出土したという所伝がある。経筒は滑石(西彼杵半島)製の円筒形で、筒身の直径は約二五センチ、蓋までの高さ約三一センチのもの。きようヶ峰の周辺からは滑石製経筒がいくつか出ており、当経塚も含めて、多良たら山系を中心とした山岳信仰の影響下にあるものと考えられる。重井田しげいだはらい川にある高さ三〇メートルの裏見ノ滝は古くより山岳修験の道場として知られ、「大村郷村記」に「左右は深谷(中略)此谷東北の方、屏風を立たるか如き一面の絶壁にて、高サ拾七間余、横四拾間余の大岩なり、堤下より洩る処の水爰に落来り、巌角にあたり砕て、雨の沛然たるか如し、夕陽是に映し虹顕れ大に趣向あり、岸下径あり、通行して裏より見る故、世俗うら見の滝と云」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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