経筒(読み)きょうづつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

経筒
きょうづつ

経巻を保護するための筒形容器伝世品や,仏像胎内石塔などに納めたものもあるが,通常は経塚から発見されたものをいう。円筒形が多く,材質には銅,鉄,陶磁,滑石,竹などがあり,筒身には経塚営造者や経典の種類,営造の目的,年月日などが記されていることがある。

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世界大百科事典 第2版の解説

きょうづつ【経筒】

経巻を収納するための筒形容器。とくに経塚埋納の紙本経を納めるために作られた直接容器をさすことが多い。各種の材料が使われているが,銅製品が圧倒的に多い。筒身は大部分が円筒形で,六角筒,八角筒もある。また数個の短い筒を積み上げて1本の筒形としたものもある。大きさは収納経典の寸法や数量に比例するが,大勢として平安時代は25cm前後,鎌倉時代は18cm前後,室町時代は10cm前後の高さである。筒身には銘文(収納経典名,願意,営造次第,営造者,年月日など)を記すことが多く,仏像,図像をあらわした例もある。

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大辞林 第三版の解説

きょうづつ【経筒】

経典を納めて経塚に埋めるか、または神社・仏閣に奉納するための筒。多く青銅製、円筒形で蓋ふたがあり、高さ30センチメートル 内外。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

経筒
きょうづつ

仏教経典の紙本(しほん)写経を納める筒形の容器。青銅製品が多いが、鉄、陶磁、石製品も存在する。形態は、円、六角、八角筒形のほか、宝塔、宝幢(ほうどう)形もみられる。長方形の箱形のものは経箱という。青銅製のものは銅板打物(うちもの)で鍍金(ときん)例のもの、鍍金のないものがあり、鋳造品もある。鉄製は鋳造品であり、陶磁器製には陶・青白磁品、石製品には滑石(かっせき)・ろう石製がみられる。大きさは、平安時代のものがそれ以降の例品に対して高く、鎌倉時代のものは全体としてずんぐりしている。
 そして室町時代になると小形になってくる。これらの経筒には、埋経の趣旨、埋納経典の名、年月日、願主名などが記されている例が多い。[坂詰秀一]

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精選版 日本国語大辞典の解説

きょう‐づつ キャウ‥【経筒】

〘名〙
① 経典を納めて経塚に埋める円筒形容器。高さ二〇センチメートルぐらい、多くは銅製で、鉄、陶、石製もある。埋経の目的、またはその願主名などを刻したものがあり、寛弘四年(一〇〇七)銘の藤原道長の金銅経筒は国宝に指定されている。
※俳諧・桜川(1674)夏一「経筒の花入にいけよ娑羅双樹〈如白〉」
② 花器の一種。もとは経筒を花器に応用したが、現在はそれに模して作り、置生(おきいけ)、懸花生(かけはないけ)両用とする。
※松屋会記‐久重茶会記・慶長一三年(1608)七月三〇日「床に、青地経筒に白ふよふ・白はぎ」

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