コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

補償光学 ほしょうこうがく adaptive optics

3件 の用語解説(補償光学の意味・用語解説を検索)

知恵蔵2015の解説

補償光学

地球大気のゆらぎによる星像の劣化を防ぐ装置。天体からの光は大気のゆらぎで波面が乱れる。補償光学は、目的の天体近傍の星の像を高精度でモニターして波面のゆらぎを測定、それを基に観測天体のイメージをほぼリアルタイムで補正し、星像の劣化を取り除くシステム。星像の大きさを10分の1程度まで小さくできる。すばる望遠鏡にもこの装置が完成し、0.06秒角の角度分解能が実現された。

(谷口義明 愛媛大学宇宙進化研究センターセンター長 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

ほしょう‐こうがく〔ホシヤウクワウガク〕【補償光学】

地上の望遠鏡による天体観測で問題となる大気の揺らぎを、電子的・光学的に補正する技術。大気の揺らぎをセンサーで捉え、その揺らぎを打ち消すよう、望遠鏡の鏡面を能動的に変形することで鮮明な星像が得られる。波面補償光学

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

補償光学
ほしょうこうがく

地上の望遠鏡の天体観測において、大気のゆらぎで生じる星像の乱れを補正する光学技術。具体的には、星像の乱れ(位相変化)を波面センサーで計測して、その結果に応じて可変形鏡を変形させることで波面を元に戻し、対象となる天体像を回折限界まで復元させる技術である。波面補償光学ともいう。日本では、すばる望遠鏡において36素子補償光学系を使い実用化された。しかし、恒星のような点光源の場合なら、波面測定は比較的容易であるが、銀河のように広がった淡い天体の場合、波面測定がむずかしいことが問題であった。それを解決するために観測する天体の方向のすぐ横の大気中にレーザーにより星のような点光源(レーザーガイド星とよぶ)を発生させ、そのレーザーガイド星からの光により波面測定を行い、波面を補償する方法が開発された。ただしレーザーガイド星は、補正に必要なデータを得るガイド星がみあたらないときに、そのかわりとして使われる。現在すばる望遠鏡では188素子補償光学系とレーザーガイド星生成システムにより、太陽系外惑星からの光の直接検出、銀河形成史の解明などの領域で大きな成果をあげている。[山本将史]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

補償光学の関連キーワード再突入大気大気圏全球大気監視酸化防止剤地球コロナゆらぎの湯ランダウのゆらぎリビー効果星像テスト

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

補償光学の関連情報