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天体測光学 てんたいそっこうがくcelestial photometry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

天体測光学
てんたいそっこうがく
celestial photometry

恒星星雲銀河などの光の強さを測定する研究分野。星の明るさを等級で分けたのがその第一歩である。種々の方法によって精密な測定が行なわれる。天体物理学のうちの光量やエネルギーフラックス(流量)測定に関する全部門をいう。

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百科事典マイペディアの解説

天体測光学【てんたいそっこうがく】

天体の光(一般には放射)の強さを測定し,またその測定方法を研究する天体物理学の一部門。肉眼を用いる実視測光,写真像の濃度または直径から光度を求める写真測光などが行われるが,近年は高感度の固体撮像素子やイメージインテンシファイアーを用い,得られた情報を磁気記憶装置に記録させ,のちにコンピューターで読み出したり解析したりする技術が発達。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

天体測光学
てんたいそっこうがく
celestial photometry

天体からの光の放射量を定量的に測定し、それと天体の物理量との関係を論じたり、測定計測器や観測方法論を研究する天文学の一研究分野。歴史的には19世紀にポグソンNorman R. Pogson(1829―1891)が星の見かけの明るさを、定量的に定義された等級で測定することを提案したときに始まる。天体測光の天文学への応用のおもな目的は、二波長域の等級差(つまり光の強度比)である色指数から天体の物理量を求めたり、変光天体の光度曲線(光度の変化を示す)を求めることである。前者は二色図やHR図として利用され、天体の物理量による分類や、恒星進化論の観測的基礎を与えている。後者は各地の天文台や時を隔てて観測した値を比較するため、とくにデータの同質性が求められる。いずれの場合にも、標準星を介して独自の測光システムから、国際的に認められた測光システムへの変換が施される。
 測光システムは波長に対する感度曲線(波長によって検出器の感度が異なるため、そのようすを示したもの)によって規定され、おもにフィルターと検出器の組合せによって決まる。検出器には眼視、写真、光電管、固体画像素子が用いられている。眼視は個人差や時間変化が大きく参考データ程度にしか用いられない。写真は画素数が多く、一度に多量のデータを扱える点で有利であるが、黒みと光量の関係がどれも一定でなく、かつ比例していないので較正が複雑である。光電管は光の光電効果を応用したもので、今日では多段式の光電子増倍管が用いられる。計測法には直流方式と光子計数方式があり、微弱な光を計測するには後者が優れている。光電管は最終的に光子を計数でき、量子効率も高く線型性(一次の比例関数)をもつのでさらに写真より性能がよい。写真の利点である画素数と光電管の性能のよさを備えた電荷結合素子charge coupled device(CCD)のような固体画像素子が考案され、1990年代以降、写真や光電管にかわって天体測光の主要な検出器となっている。眼視、写真、光電管による観測の精度は、それぞれ、±0.1等級、±0.05等級、±0.01等級であり、CCDによる精度は、光電管によるものと同等、あるいはそれ以上である。測光システムとして国際的に認められたものは、写真によるものが2、光電管によるものが赤外域も含めて15ある。CCDによるものは、ほぼ光電管システムを踏襲している。
 測光観測は普通、大気を通して行われるので、天頂距離の異なる標準星を観測して大気吸収の補正を行っているが、光電測光では大気の安定性が精度を決めている。天体の放射量をエネルギーの単位で計測する絶対測光も行われているが、標準星を用いた相対測光ほど精度はよくない。以上に述べた広帯域測光のほか、天体スペクトルを定量的に測光することも行なわれ、分光測光とよばれている。[安藤裕康]

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