補足的親子関係(読み)ほそくてきおやこかんけい(その他表記)complementary filiation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「補足的親子関係」の意味・わかりやすい解説

補足的親子関係
ほそくてきおやこかんけい
complementary filiation

単系出自体系を持つ社会における,出自のラインを補足するような親子関係の紐帯 (ちゅうたい) のこと。アフリカタレンシ族の研究で知られる M.フォーテスによる用語。たとえば父系出自体系のタレンシ社会では,母系系譜は構造的には無視される。しかし実際の社会関係では,母方親族との親族関係も相当の重要性を持っており,母や母の親族・親族集団とは特別に親密な紐帯が持たれ,補足的な機能を果たしている。なお,この用語に対し R.キージングは,父系出自原理と2次的原理としての双系出自の2つが重なり合っているととらえた方がより広い現象に適用できると指摘している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android