褐色矮星(読み)カッショクワイセイ(その他表記)brown dwarf

翻訳|brown dwarf

デジタル大辞泉 「褐色矮星」の意味・読み・例文・類語

かっしょく‐わいせい【褐色×矮星】

質量が小さく、軽水素核融合が起こらずに主系列星になれなかった天体。主系列星と惑星の中間的な大きさで、そのどちらにも分類されない。重水素の核融合は起こるため、赤外線を放つが長続きしない。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「褐色矮星」の解説

褐色矮星(わいせい)

質量が小さく、核融合反応で自ら輝くことのできない星。質量が太陽の100分の8以下の小さな星は、中心温度圧力が不足して十分に核融合反応が起こらず、恒星として輝くことができない。誕生直後は、重力によるガス圧縮によって温度が上がり、余熱で一時期低温の暗い星として観測されるが、やがて冷えて見えなくなる。暗いので観測は難しいが、近年、オリオン大星雲中などに多数候補天体が見つかっている。

(土佐誠 東北大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「褐色矮星」の意味・わかりやすい解説

褐色矮星
かっしょくわいせい
brown dwarf

質量が太陽の 10分の1より小さいために,中心で水素の核融合を起こすことができず恒星にはなれないが,惑星よりずっと大きな星。ゆっくりと収縮することで光を放出している。表面温度は数千Kと低く,暗いためにまだ発見例は少ないが,宇宙全体ではかなりの数に上ると考えられる。暗黒物質の候補の一つとして考えられている。

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