西脇遺跡(読み)にしわきいせき

日本歴史地名大系 「西脇遺跡」の解説

西脇遺跡
にしわきいせき

[現在地名]明石市大久保町西脇 鳥ヶ谷

大久保おおくぼ台地を見下ろす丘陵南端の緩やかな傾斜面上に立地する後期旧石器時代終末期の集落遺跡。標高七五メートル前後で大久保台地との比高は約五〇メートル。

昭和三六年(一九六一)に発見され平成四年(一九九二)に発掘調査が行われた。調査区内の層序は基本的に四層に分けられる。第一層は表土層、第二層は細砂層、第三層は黄褐色をしたシルト質細砂層で、層の厚みは一〇―三〇センチ。第三層は調査区の北西約一〇〇メートルの丘陵頂上部から流出したもので、石器の主要な包含層である。さらに二層に細分が可能であり、下層は流紋岩の風化礫を多量に含んでいる。第四層は赤橙色をした砂礫層である。層中に流紋岩の風化礫とチャート礫が混じっている。二四万年前の温暖期に形成された高位段丘層に相当するとされている。土壌中の火山灰分析によると、第一層から第三層にかけて姶良丹沢(AT)火山灰、大山下のホーキ火山灰、鬼界アカホヤ火山灰に対比できる三種類の火山灰が検出されているが、いずれも含有率は低い。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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