朝日日本歴史人物事典 「西邑乕四郎」の解説
西邑乕四郎
生年:天保1.7.5(1830.8.22)
明治期の実業家。京都の西邑文雄の次男。生家は代々漢方医を業としていた。南三井家に奉公に上がり,台所役となった。維新後は大阪両替店,大阪為換座に勤務したが,明治9(1876)年三井銀行が設立されると監事に就任,11年副長,15年総長代理副長となり,以後の三井銀行を主宰した。しかし19年以降の預金急増期に不良貸出を累積させ,同行経営の危機を招き,24年中上川彦次郎が入行すると25年監事に退き,26年の同行改組では理事となったが,29年三井地所部理事に転じ,30年11月引退した。<参考文献>三井文庫編『三井事業史』
(粕谷誠)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報