見取村(読み)みどりむら

日本歴史地名大系 「見取村」の解説

見取村
みどりむら

[現在地名]袋井市見取

豊田とよだ郡に所属。敷地しきじ川下流域に位置し、東は小藪こやぶ川を隔てて沖山梨おきやまなし村・深見ふかみ村。敷地川西側は磐田原台地の東端丘陵部。中世は箕取郷・緑郷とも記された。観応二年(一三五一)八月二三日の粟生為広譲状写(尊経閣文庫文書)に「遠江国箕取郷」とみえ三河の粟生為広が嫡子の惣領秋広に当郷などの所領を譲与している。現もり蔵泉ぞうせん寺蔵の大般若経巻三三四奥書に、嘉慶元年(一三八七)に「箕取村」の尾張という者が大般若経を書写したとある。血脈衆(乾坤院蔵)によれば、文明一七年(一四八五)八月一〇日、大洞だいとう(現森町)で行われた逆翁宗順の授戒会に「ミトリ」の祐音が参加している。逆翁は尾張国乾坤けんこん(現愛知県東浦町)住持で、この頃各地で授戒会を開いて多くの僧俗を戒弟としていた。永禄四年(一五六一)六月二〇日、今川氏真は「緑・小山」の段銭四一貫六四二文余を含む四〇〇貫文を三河牛久保うしくぼ(現愛知県豊川市)の在城料として匂坂長能に宛行っている(「今川氏真判物写」今川一族向坂家譜)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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