見立鉱山(読み)みたてこうざん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「見立鉱山」の意味・わかりやすい解説

見立鉱山
みたてこうざん

宮崎県北部、日之影町(ひのかげちょう)にあった錫鉱山(すずこうざん)。1631年(寛永8)発見され、以来約100年間盛んに採掘され、女郎屋鋪(じょろうやしき)などの地名も残る。明治以降、延岡(のべおか)藩主内藤(ないとう)家より一時期イギリス系資本の手に渡り稼行された。坑口は見立集落より2.5キロメートル東の山中で、鉱石はケーブルで日之影川対岸の選鉱所に運ばれた。錫のほか鉛、亜鉛タングステンなどの鉱物産出した。日本有数の錫鉱山であったが1969年(昭和44)閉山。鉱山を訪れる英国人技師たちの宿舎およびゲストハウスとして利用された英国館(見立鉱山倶楽部)は1986年資料展示室として公開され、2001年(平成13)国の登録有形文化財に指定された。

[横山淳一]

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デジタル大辞泉プラス 「見立鉱山」の解説

見立鉱山

宮崎県西臼杵郡日之影町にあった鉱山。スズを産出。

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世界大百科事典(旧版)内の見立鉱山の言及

【日之影[町]】より

…町域のほとんどが山林で,木材,シイタケを主産物とするが,河岸の段丘上では米作やタバコ栽培,肉牛の飼育が行われる。日之影川上流に古くからスズを産出した見立(みたて)鉱山があったが閉山した。祖母傾国定公園に含まれる北部の傾山一帯および南東部の矢筈(やはず)山(658m。…

※「見立鉱山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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