日本歴史地名大系 「観国録」の解説
観国録
かんこくろく
七冊 石川和助（関藤藤蔭）著
成立 安政三―四年
写本 北海道大学附属図書館
解説 幕府の蝦夷地再直轄に際し、老中筆頭阿部正弘（福山藩主）の命をうけて安政三年および同四年の両度にわたり、蝦夷地と北蝦夷地（カラフト）を調査した福山藩士一行のうち石川和助の道中日記。安政三年の丙辰紀行は「巻二」および「上書」（東蝦夷地および南千島紀行の摘要を記す）を除いて失われ、安政四年の「丁巳紀行一―五」は四月一五日箱館出立、黒松内から西蝦夷地西岸に出て宗谷に至り、カラフト島に渡って東岸はシリマオカ、西岸はホロコタンに達し、帰路は石狩より勇払・虻田を経て八月三日長万部着までを記す。毎日の記事には地勢・境界・気候・土質・物産・戸口・風俗などの見出しがある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報