黒松内(読み)くろまつない

改訂新版 世界大百科事典 「黒松内」の意味・わかりやすい解説

黒松内[町] (くろまつない)

北海道南西部,後志(しりべし)支庁寿都(すつつ)郡の町。渡島(おしま)半島の付け根の内陸に位置する。人口3250(2010)。地名はアイヌ語の〈クルマッ・ナイ〉(和人女性の・沢)に由来する。1871年(明治4)道南の伊達紋別より伊達家の家臣が入植してから開拓が始まった。朱太(しゆぶと)川上流と黒松内川流域の狭い平地が農耕地として利用されているが,気候に恵まれず,零細規模の農家が多い。山地斜面や丘陵地では酪農が行われている。近年は社会福祉の町として発展することを目指しており,特別養護老人ホームなど老人福祉施設,精神薄弱児施設,児童母子施設などが多い。市街地南東4kmの歌才(うたさい)はブナ自生の北限地帯で,天然記念物に指定されている。JR函館本線が通じ,町域東部には道央自動車道の黒松内ジャンクションとそのインターチェンジがある。
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