観念右翼(読み)かんねんうよく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「観念右翼」の意味・わかりやすい解説

観念右翼
かんねんうよく

特定右翼党派ではなく,純粋な日本精神主義を思想や行動の原理とする諸団体。上杉慎吉をその源流とする。第2次世界大戦前の右翼運動を思想形態から分類すると,国家社会主義派 (組織右翼) と日本精神主義派 (観念右翼) に大別される。上杉の組織した桐花学園 (1913創立) ,蓑田胸喜天野辰夫,菊池利房による興国同志会 (19) ,平沼騏一郎国本社 (24) ,興国同志会の流れをくむ七生社 (25) などが観念右翼としてあげられる。

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世界大百科事典(旧版)内の観念右翼の言及

【右翼】より

…これ以後多くのファッショ団体が結成され,天皇中心主義による〈国家改造〉(〈昭和維新〉の断行),農本主義と家族主義,反ソ反共,反民主主義,反自由主義,反財閥,ベルサイユ・ワシントン体制打破,大アジア主義による大陸進出などの主張をかかげて活発な運動を展開した。新たに登場したファッショ団体は,観念右翼(日本主義派)と革新右翼(国家社会主義派)に大別され,両派は指導権争いと対立をくりかえしながら昭和戦前期右翼運動の二大潮流を形成した。観念右翼には国本社建国会,血盟団,神兵隊,大日本生産党,大東塾など,革新右翼には経倫学盟,日本国家社会党,新日本国民同盟,日本革新党など,中間派には東方会,大日本青年党,国粋大衆党などがあったが,中間派は思想上の立場からいえば革新右翼に分類することも可能である。…

※「観念右翼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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