角原村(読み)つのはらむら

日本歴史地名大系 「角原村」の解説

角原村
つのはらむら

[現在地名]福井市角原町

文殊もんじゆ山の西麓にあり、北は山裾に沿ってほこさき村。建武五年(一三三八)八月二五日付の高師直執達状(園城寺文書)に「越前国角原等地頭職事」とみえ、幕府が越前守護斯波高経に命じて園城寺造営料所角原などの地頭職を同寺雑掌に交付させている。近世初期、当村から福井城下に移転した浄得じようとく寺にある「思迷発心集」の慶長三年(一五九八)九月七日付奥書に「角原村」と村名がみえる。同一一年頃の越前国絵図では山内やまのうち(高一三八七・八石)に含まれた。村名は正保郷帳にみえ、田方六四九石余・畠方五八石余。福井藩領。

北西部の山裾字寺屋敷てらやしきに浄得寺跡がある。天保三年(一八三二)三月の持山掛合一件訴答書写(矢納家文書)によれば、字堂山どうやまをめぐって浄得寺と当村の浄得寺末願正がんしよう(真宗大谷派)との間で争論があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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