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角筆文字 かくひつもじ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

角筆文字
かくひつもじ

経文や漢籍などの行間に,角筆 (かくひつ) という先をとがらせた箸 (はし) のような道具で,紙面を押しくぼませて跡をつけて書いた文字。私的なメモを記すものとして使われたのであろうと推定され,漢文の訓読の際に,文書そのものを汚さずにヲコト点を記入する方法とされたほか,図絵の下描きなどに使われていた。角筆の材質は,竹や木で,江戸時代の松平定信使用の象牙製のものも残っている。文献の上では平安時代にあったことは知られていたが,1987年に正倉院文書にも角筆文字のあることが確認され,奈良時代からあったことが判明した。江戸時代末に至るまで各時代に文献が残っており,角筆が毛筆とともに使われていたことがわかる。さらに中国漢代の木簡に刻文のあることが認められ,源流は中国であろうとされる。日本では既に 200点以上の角筆文献が発見されており,今後の研究により,平安時代の日常口語の実態解明に大きな期待が寄せられている。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

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