精選版 日本国語大辞典 「言痛・事痛」の意味・読み・例文・類語
こちた・し【言痛・事痛】
〘形ク〙 (「こといたし(言痛)」の変化した語)
① 人の言葉、うわさなどが多くて、うるさい。くどい。わずらわしい。
② 様子や状態がはなはだしい。仰山である。ことごとしい。
※枕(10C終)四一「鶴は、いとこちたきさまなれど、鳴くこゑ雲井まできこゆるいとめでたし」
③ 度がすぎるほどに盛んである。立派すぎるほどである。
※源氏(1001‐14頃)乙女「御車十五、御前四位五位がちにて〈略〉こちたき程にはあらず」
④ 事がわずらわしいほど多いさま。繁雑である。
※蜻蛉(974頃)上「車かきおろして、こちたくとかくする程に」
⑤ 量や程度がはなはだしいさま。びっしりしている。たっぷりとある。度をこえて、わずらわしいと思うほどである。
※万葉(8C後)一〇・二三二二「はなはだも降らぬ雪ゆゑ言多(こちたく)も天つみ空は曇らひにつつ」
こちた‐げ
〘形動〙
こちた‐さ
〘名〙
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