言種(読み)コトグサ

デジタル大辞泉 「言種」の意味・読み・例文・類語

こと‐ぐさ【言種】

いつも口にすること。口ぐせ。
山里に問ひ来る人の―はこの住まひこそうらやましけれ」〈新古今・雑中〉
話のたね。語りぐさ。話題
「このごろ、世の人の―に…と、ことにふれつつ言ひ散らすを」〈篝火

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「言種」の意味・読み・例文・類語

こと‐ぐさ【言種】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ことくさ」とも )
  2. 常日頃の言いぐさ。口ぐせ。
    1. [初出の実例]「むかし、女、人の心をうらみて、〈略〉常のことぐさにいひけるを」(出典:伊勢物語(10C前)一〇八)
  3. 言いわけ。口実
    1. [初出の実例]「むつかしき事もあれば、いかでかまかでなんといふことくさをして」(出典:能因本枕(10C終)八一)
  4. 話のたね。噂のたね。語りぐさ。話題。
    1. [初出の実例]「このごろ、世の人のことくさに、内の大いどのいまひめ君と、ことにふれつつ言ひちらすを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)篝火)
  5. ことば。
    1. [初出の実例]「昔の人は、ただいかに言ひすてたることくさも、皆いみじく聞ゆるにや」(出典:徒然草(1331頃)一四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android