言種(読み)ことぐさ

精選版 日本国語大辞典 「言種」の意味・読み・例文・類語

こと‐ぐさ【言種】

〘名〙 (「ことくさ」とも)
常日頃の言いぐさ。口ぐせ。
伊勢物語(10C前)一〇八「むかし、女、人の心をうらみて、〈略〉常のことぐさにいひけるを」
② 言いわけ。口実
※能因本枕(10C終)八一「むつかしき事もあれば、いかでかまかでなんといふことくさをして」
③ 話のたね。噂のたね。語りぐさ。話題
源氏(1001‐14頃)篝火「このごろ、世の人のことくさに、内の大いどのいまひめ君と、ことにふれつつ言ひちらすを」
④ ことば。
徒然草(1331頃)一四「昔の人は、ただいかに言ひすてたることくさも、皆いみじく聞ゆるにや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「言種」の意味・読み・例文・類語

こと‐ぐさ【言種】

いつも口にすること。口ぐせ。
山里に問ひ来る人の―はこの住まひこそうらやましけれ」〈新古今・雑中〉
話のたね。語りぐさ。話題。
「このごろ、世の人の―に…と、ことにふれつつ言ひ散らすを」〈・篝火〉

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