計算・計筭(読み)けいさん

精選版 日本国語大辞典 「計算・計筭」の意味・読み・例文・類語

けい‐さん【計算・計筭】

〘名〙
① 数量を計ること。はかりかぞえること。勘定すること。算計。けさん。
三国伝記(1407‐46頃か)一一「殺生は都て計算せず」
地蔵菩薩霊験記(16C後)六「一年中毎日一百八返の法は三百六十日計筭すれば三万六千返也」 〔史記‐平準書〕
② 前もって先のことなどを考えること。予測すること。見積ること。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉三三「余も亦計算(ケイサン)を立て之を論ぜん」
③ あたえられた数、量、式を一定の規則に従って処理すること。また、未知の数、量、式を公式などを用い、演算の規則に従って求めること。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕
[語誌](1)字順の異なる「算計」は、平安時代末期の「明衡往来‐中末」に現代と同じ用法で使用されており、中世の古辞書では「文明本節用集」に登載されている。江戸時代末期になると、「計算」と「算計」がともに見られるようになるが、「算計」は蘭学者の手によるものによく見られる。
(2)明治時代になって、ヘボンの「和英語林集成(再版)」には「算計」だけが、三版には「計算」も見出し語として登載された。しかし、「言海」や「日本大辞書」には「計算」しかないところから、明治二〇年(一八八七)頃には「計算」に統一されたと考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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