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地蔵菩薩霊験記 じぞうぼさつれいげんき

世界大百科事典 第2版の解説

じぞうぼさつれいげんき【地蔵菩薩霊験記】

平安時代の仏教説話集三井寺の僧実睿(じつえい)(1033年彼が地蔵像を修理した話が本書にみえる)撰と称する2巻本と,さらに,それに実睿撰と称する巻三,良観(16~17世紀の人であるが伝不明)撰と称する巻四~十四を加えた14巻本とが存在する。内容は,地蔵を安置する寺院の縁起,地蔵信仰によって得た利益(りやく)など,基本的には阿弥陀や観音の霊験譚と異なるものではないが,地獄から蘇生した話が多く見られるのが地蔵の霊験譚の特徴である。

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世界大百科事典内の地蔵菩薩霊験記の言及

【地蔵】より

… 平安時代後期,民間にも仏教が広く浸透するにつれて,地蔵信仰は大いに発達した。11世紀の中ごろ三井寺(園城寺)の僧実睿が民間地蔵説話を集成した《地蔵菩薩霊験記》は後に散逸したが,その説話の多くは《今昔物語集》巻十七に再録されており当時の民間地蔵信仰の特色をうかがうことができる。功徳の集積が容易な貴族たちの間では死後の地獄の恐怖がさして切実でなく,地蔵への関心が薄いのに対し,浄土往生の功徳を積むすべのない民衆の間では,〈地獄は必定〉という深刻な地獄観の下で,地獄に入って人々の苦しみを代わり受ける地蔵の信仰が発達し,〈ただ地蔵の名号を念じて,さらに他の所作なし〉といった地蔵専修さえ成立したのであった。…

【地蔵縁起絵巻】より

…六道の衆生を済度する菩薩として,地蔵菩薩は特に中世において民衆の間で広い信仰を集め,その造像も盛んに行われた。そして特定の寺院の地蔵尊の由来を説く縁起や,中国,日本のさまざまな地蔵の霊験談を集めた《地蔵菩薩霊験記》が作られ,絵巻化された。前者の代表例としては鎌倉時代の《矢田地蔵縁起》2巻(京都矢田寺)があげられよう。…

※「地蔵菩薩霊験記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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