託言がましい(読み)カゴトガマシイ

デジタル大辞泉 「託言がましい」の意味・読み・例文・類語

かごと‐がまし・い【託言がましい】

[形][文]かごとがま・し[シク]
恨み嘆いて言うようすがありありと感じられる。ぐちめいている。
「―・い声を出すとは見下げ果てたやつで」〈芥川・おしの〉
言いわけがましい
「つれづれとわが泣き暮す夏の日を―・しき虫の声かな」〈・幻〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「託言がましい」の意味・読み・例文・類語

かごと‐がまし・い【託言がましい】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]かごとがま〘 形容詞シク活用 〙 ( 「がましい」は接尾語 )
  2. 何かにことよせて恨みごとを言っているようだ。嘆き悲しんでいるようだ。恨みがましい。
    1. [初出の実例]「つくろはれたる水の音なひ、かごとがましう聞こゆ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)松風)
    2. 「『〈略〉もうもう寂しくて敵(かな)ひません』と怨言(カゴト)がましい元の口気(くちぶり)」(出典多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
  3. 他のことにかこつけている様子である。他のことに関係づける様子である。もっともらしい理由としている。
    1. [初出の実例]「しれるおうなのもとより、ふるききぬのわたぬきたるに、ふみ添てをくりければ 橘のかごとがましきあはせかな」(出典:俳諧・蕪村句集(1784)夏)

託言がましいの派生語

かごとがまし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

託言がましいの派生語

かごとがまし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android