…とくに中世,訴人(原告)が朝廷,幕府,本所などの裁判機関に提出した訴状が重要である。陳状とあわせて訴陳状という。その書式は,本来は解状の形式をひくが,多く書出しに〈某謹言上〉〈某謹訴申〉と記し,書止めに〈仍粗言上如件〉〈訴申如件〉などと記す申状の形式をとり,論人(被告)の名,対象となる物権や事柄,副進される証拠文書,訴訟理由などが列記される。…
…一般に上級の人格または機関の勘問に対して,自己の非ならざる理由を陳弁する上申文書。勘問はさまざまな理由で行われたが,訴訟において訴人の提出した訴状への陳答を求める場合が多く,この場合,訴状と陳状の両者を総称して訴陳状といった。その書式は,本来は解(げ)状の形式であるが,中世,〈何某謹陳(弁)申〉〈何某支言上〉などと書き出し,〈陳(弁)申如件〉〈支言上如件〉などと書き止める申状の形式が多用された。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」