誉田白鳥埴輪製作遺跡(読み)こんだはくちょうはにわせいさくいせき

国指定史跡ガイド 「誉田白鳥埴輪製作遺跡」の解説

こんだはくちょうはにわせいさくいせき【誉田白鳥埴輪製作遺跡】


大阪府羽曳野(はびきの)市白鳥にある埴輪窯跡古市古墳群の中心となる誉田御廟山古墳(応神(おうじん)天皇陵)と墓山古墳の間の段丘地に位置する。東西丘陵に2群に分かれ、計11基が確認されている。窯跡は急斜面を利用した幅約1.5m、長さ約7m、傾斜角度12度ほどで、基底部、焚き口、灰原、煙道の一部が検出された。遺物としては、円筒埴輪(はにわ)片が大半を占めるが、人物、蓋(きぬがさ)、盾、武具などの形象埴輪片なども確認。天皇陵と伝えられる大古墳などを中心に形成される古市古墳群にあって、埴輪を製作した意義は大きいとして、1973年(昭和48)に国の史跡に指定された。周辺からは、多くの建物跡の柱穴が整然と並んで確認されていることから、律令時代の古市郡家(ぐうけ)跡の可能性も考えられ、土師部(はじべ)の工房跡も検出されている。現在、埴輪窯跡のうち1基が復元され、遺跡公園になっている。近畿日本鉄道南大阪線古市駅から徒歩約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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