誤謬表(読み)ごびゅうひょう(英語表記)Syllabus ラテン語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「誤謬表」の意味・わかりやすい解説

誤謬表
ごびゅうひょう
Syllabus ラテン語

1864年12月8日、教皇ピオ9世が回状『クアンタ・クーラ』とともに公布した表で、正式には『現代の主要な誤謬を包含する表』。ここでは、80の命題を次の10の題目のもとに配置している。(1)汎神論(はんしんろん)、自然主義、絶対的合理主義、(2)穏和な合理主義、(3)無関心主義と宗教的寛容主義、(4)社会主義、共産主義秘密結社、聖書結社、自由主義的聖職者結社、(5)教会とその諸権利についての誤謬、(6)市民社会自体、およびそれと教会との関係についての誤謬、(7)自然的道徳とキリスト教的道徳についての誤謬、(8)キリスト教的結婚についての誤謬、(9)教皇の俗権についての誤謬、(10)近代的自由主義に関する誤謬。誤謬表は、近代文化と近代国家に対する教皇主義的批判とみなされる。

[佐藤三夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android