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議決権信託 ぎけつけんしんたくvoting trust

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

議決権信託
ぎけつけんしんたく
voting trust

企業支配権の獲得・保持のためアメリカにおいて発展した制度であり,株主が委託者となって保有株式自体を受託者に信託し,その株式にかかわる議決権その他すべての権利を受託者に行使させる信託。株主は株式の信託と引換えに受託者から議決権信託証書 voting trust certificateの交付を受ける。この証書は信託期間中は自由に譲渡処分することができる。この信託は単に配当金の受領,増資新株の引受け・払込みなどの事務を受託者が行う株式の管理信託と異なり,その主目的はあくまで統一的な議決権行使にあるから,通常は多数の株主の株式をとりまとめて信託されるケースが多い。日本においても議決権信託は有効であり,その実例もある。しかし議決権は財産権ではなく株主権の一部をなすものであるから,議決権だけを株式から分離して信託することは会社法の要請からも,また信託の目的物は財産権に限るとする信託法1条の趣旨からも認められない。したがって議決権信託は日本では制度として存在しない。

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