谷
巡礼街道
たにぐみじゆんれいかいどう
中山道赤坂宿(現大垣市)より分岐し、西国三十三所観音霊場の満願所である谷汲山華厳寺に至る街道。三十三所巡礼は平安末に成立したとされるから、巡礼者が歩いた道は近世の道筋ほどに定まっていなかったにしても、古くにさかのぼるものだろう。正保国絵図による道筋は、赤坂宿から現池田町の市橋村・八幡村などを経て、揖斐川を杉野村から現揖斐川町の島村に渡り、志津山村・小野村を過ぎ、現谷汲村の深坂村に至れば、あとは華厳寺門前に向かって北へ進むばかり。赤坂宿の四辻の北東角に「左たにくみ」と刻む天和三年(一六八三)の道標があり、このほか元禄一〇年(一六九七)・文政五年(一八二二)などの道標が残る。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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