朝日日本歴史人物事典 「豊美繁太夫」の解説
豊美繁太夫
江戸中期,上方の繁太夫節の浄瑠璃太夫。宮古路豊後掾 の門弟で,史料上の初見は享保16(1731)年「筆顔見世鸚鵡硯」。元文3(1738)年ごろから哀愁をおびた語り口が繁太夫節としてもてはやされた。延享2(1745)年に豊美と改姓したらしい。宝暦1(1751)年以降の記録はない。1代で絶えたが,鶴山勾当がその曲節を伝承し作曲もしたので,地歌のなかに「繁太夫もの」として伝えられた。
(竹内道敬)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報