日本歴史地名大系 「貝小野」の解説 貝小野かいおの 岐阜県:関市貝小野武儀(むぎ)郡に所在した摂関家領。保延二年(一一三六)から久安五年(一一四九)に成立した「執政所抄」に「貝小野」とあり、神野(かみの)などとともに京都法性(ほつしよう)寺修二月会のための餅各五〇枚を公事として納入している。長寛元年(一一六三)頃の二通の某書状(兵範記裏文書)は上有知(こうずち)庄(現在の美濃市街が中心)などの年貢未進の弁明などを行ったものであるが、それによれば不作のため「住人一人不残」という状況が発生し、貝小野下司真正らの「上有知境中」への乱入事件が起きたことが記される。この事件から、貝小野は上有知の近辺にあったと思われ、現関市小野(おの)付近に比定される。しかし、小野郷は中世には上有知庄内であり、その東の西神野付近かもしれない。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by