貞松名(読み)さだまつみよう

日本歴史地名大系 「貞松名」の解説

貞松名
さだまつみよう

現浜田市内田うちだ町の内田川流域に比定され、周布すふ郷の領域内に位置した。貞応元年(一二二二)八月一七日の関東下知状写(内田家文書)に「石見国貞松・豊田地頭職」とみえ、内田三郎宗茂なる御家人承久の乱の恩賞として地頭職を得ている。翌二年三月日の石見国惣田数注文では「さたまつ 三丁二反大」とある。南北朝期、内田氏惣領家は北朝方の足利直義派に属し、足利尊氏派に属した庶子家と、惣領家と姻戚関係を結んでいた周布庶子家で貞松名の南に接するない村の領主内氏が加わり、三者による当名をめぐっての相論があった。まず貞和元年(一三四五)石見守護上野頼兼は内田致景の訴えに基づいて調査した結果、当名が内田致員跡とは認められないので、下地を致景に還付するよう命じている(同年一二月一三日「上野頼兼遵行状写」内田家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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