財務計画(読み)ざいむけいかく(その他表記)financial planning

日本大百科全書(ニッポニカ) 「財務計画」の意味・わかりやすい解説

財務計画
ざいむけいかく
financial planning

企業の財務活動に関する計画の総称広義には企業活動のための資本調達と運用に関するすべての計画をいい、狭義には現金収支を時間的、金額的に適合させるための資金収支計画のみをいう。広義説が一般である。

 財務計画は財務管理一環として策定され、その主要部分を形成する。企業の財務活動(広義の財務計画)は二大部分からなる。第一は、現金の出納(すいとう)および保管という日常反復的な現場の執行的業務である実体的財務活動であり、狭義の財務計画である資金収支計画は、この活動に関する計画である。第二は、企業全体の視点から資本需給の適合関係を資本の源泉と運用の両面から問題にする総合的財務活動であり、その内容を形成する個別問題には、利益管理、設備投資決定、運転資本管理、利益処分ないし配当政策資金調達などがある。これらのために、利益計画、設備投資計画、運転資本計画、利益処分計画、資金調達計画が策定される。

 財務計画を期間に基づいた別の角度からみると、計画期間が1年を超える長期財務計画と、1年以下の短期財務計画に分けられる。長期財務計画の典型は設備投資計画であり、短期財務計画のそれは資金収支計画である。長期財務計画の策定には不確実性が付きまとうが、それを緩和するために、コンピュータ・シミュレーションを行う財務計画モデルが採用される。財務計画の実施を確保する諸方策を財務統制という。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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