出納(読み)スイトウ

デジタル大辞泉 「出納」の意味・読み・例文・類語

すい‐とう〔‐タフ〕【出納】

[名](スル)《「すい」は、出す意の字音の一、「とう」は慣用音金銭物品出し入れすること。支出収納。「現金を出納する」「出納帳」
[類語]収支会計計理経理簿記帳付け

しゅつ‐のう〔‐ナフ〕【出納】

すいとう(出納)」に同じ。
平安時代蔵人所くろうどどころ・有力公家などで、雑事をつかさどり、雑具の出し入れに当たった職。

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精選版 日本国語大辞典 「出納」の意味・読み・例文・類語

しゅつ‐のう‥ナフ【出納】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 出すことと納めること。特に、金銭や物品を出すことと入れること。収支。すいとう
    1. [初出の実例]「頭一人。〈掌。出納。諸国田租。舂米。碾磑事〉」(出典:令義解(718)職員)
    2. [その他の文献]〔色葉字類抄(1177‐81)〕〔書経‐舜典〕
  3. 蔵人所に属した文書・雑具の出し入れにあたる役。私設の職として、有力公卿の家司中に置かれる場合もあった。
    1. [初出の実例]「先日依触穢事所解蔵人所出納時則、如本更任」(出典:御堂関白記‐寛弘七年(1010)一一月一一日)
    2. 「伴大納言の出納の家のおさなき子と、舎人が小童といさかひをして」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一〇)
  4. 寺院で、被物(かずけもの)、祿物などの出し入れをつかさどった僧。
    1. [初出の実例]「御ふせのこそて、大とうしてよりしゆつなううけとりて、しゆそうにわたす」(出典:御湯殿上日記‐天正元年(1573)九月五日)
  5. 荘園年貢の徴収・出納などを行なった下級の荘官。
    1. [初出の実例]「惣公文田二町、案主田一町〈略〉出納武行三段」(出典:東大寺文書‐天永二年(1111)九月八日・紀伊国木本荘作田損得注進帳)

すい‐とう‥タフ【出納】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「すい」は「出」の音の一つで、「だす」の意に用いるものか。「とう」は「納」の慣用音 )
  2. 金銭や物品の出し入れ。現在、主に営業上の出し入れにいう。すいのう。
    1. [初出の実例]「銭穀の出納は時々之を国中に布告すべし」(出典:西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉初)
    2. 「自分の扶持米で立てて行く暮しは、〈略〉大抵出納(スイタフ)が合ってゐる」(出典:高瀬舟(1916)〈森鴎外〉)
  3. しゅつのう(出納)

出納の補助注記

「色葉字類抄」や「節用集」の類では「シュツナウ」と読んでいる。金銭の出し入れに「すいとう」と読むようになったのは比較的新しい時代になってからだと思われる。


すい‐のう‥ナフ【出納】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「のう」は「納」の呉音 ) =すいとう(出納)
    1. [初出の実例]「一年出納(スヰナフ)積書を検査して」(出典:明治月刊(1868)〈大阪府編〉五)

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普及版 字通 「出納」の読み・字形・画数・意味

【出納】すいとう(たふ)

出入。会計。金銭の収支。〔詩、大雅烝民王命を出し 王の喉舌(こうぜつ)となれ

字通「出」の項目を見る

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