貨物海上保険(読み)カモツカイジョウホケン(英語表記)marine cargo insurance

デジタル大辞泉 「貨物海上保険」の意味・読み・例文・類語

かもつ‐かいじょうほけん〔クワモツ‐〕【貨物海上保険】

積み荷保険

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「貨物海上保険」の意味・わかりやすい解説

貨物海上保険 (かもつかいじょうほけん)
marine cargo insurance

海上保険のうち貨物を対象とする保険。積荷保険ともいう。なお,船舶を対象とする海上保険は船舶保険と呼ばれる。貨物海上保険では貨物自体のほか,運賃,輸入税,希望利益などもその対象となる。契約にあたっては,イギリスの海上保険法Marine Insurance Act(1906公布)に準拠した英文の保険約款・証券と,日本の商法に準拠した和文の保険約款・証券とが使われている。前者は輸出入貨物および三国間輸送貨物に,後者は国内沿岸航路の貨物にそれぞれ用いられ,とくに前者は船荷証券,信用状などとともに貿易取引の重要な書類となっている。損害の塡補(てんぽ)条件は英文約款と和文約款では多少異なるが,基本型は〈分損担保〉〈分損不担保〉〈全損のみ担保〉の3種である。このほかに雨・淡水ぬれ,盗難などの危険を担保する特別約款や〈オール・リスク約款〉がある。
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世界大百科事典(旧版)内の貨物海上保険の言及

【海上保険】より

…航海に関する事故によって生ずる損害を塡補(てんポ)する損害保険。船舶のほか,船舶の属具・船費・用船料・運賃などを対象とする船舶保険と,積荷のほか諸掛,希望利益,運賃などを対象とする積荷保険(貨物海上保険ともいう)とに大別される。
[歴史]
 海上保険の歴史は他の保険に比べはるかに古く,各種の現代的保険の母体といわれている。…

【船舶保険】より

海上保険は,保険の目的が船舶であるか船舶積載貨物であるかによって,船舶保険と貨物海上保険(積荷保険ともいう)とに大別される。船舶保険の引受けの対象は,貨物船,タンカー,フェリー,漁船等の通常の船舶に限らず,はしけ,ブイ,さらには海底石油掘削装置に至るまで広範囲にわたり,また保険の目的は船体,機関,属具のほか燃料,食料その他の消耗品も船舶の使用目的に供するために船舶内にあればこれに包含されるのが通例である。…

※「貨物海上保険」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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