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責任[道徳] せきにん[どうとく]responsibility; Verantwortlichkeit

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

責任[道徳]
せきにん[どうとく]
responsibility; Verantwortlichkeit

西欧語では元来「応答」を意味し,直接,間接を問わず一切の有意的行為もしくは不作為を原因としその結果に対する関係から生じる意識,責務,制裁をいう。最近では法人など集団の責任や,職責上の責任もいわれるが,一般には個人について問題とされ,道徳上の人格的責任と法的責任が区別される。人の行為は,称賛,非難,法的処罰の対象となり,神学的にも魂の救いにつながる。人は,ある意味では行為から性格までのすべてに責任があるといえるから,道徳的責任の範囲が問題となる。まず自由な状況でなしたと認められる行為や出来事については道徳的責任を免れないが,行為の結果の予測や意図の善悪を考慮する立場もあり,それに従って責任の範囲も異なる。無過失の行為に道徳的責任があるかどうかは論が分れるが,良心の苛責 (かしゃく) を免れないことは否定できない。道徳的責任の基本をなすのは自由であり,完全な決定論的世界観のもとでは責任を問いえない。これはペラギウスが提出しアウグスチヌスが反論した神学上の論争以来,今日まで,さまざまに形を変えて問われ続けている問題である。 (→恩恵論争 )

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

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