不作為(読み)ふさくい

精選版 日本国語大辞典「不作為」の解説

ふ‐さくい ‥サクヰ【不作為】

〘名〙
① (「ぶさくい」とも) 気がきかないこと。工夫がないこと。
※評判記・吉原すずめ(1667)下「おなじ名をあとよりつくるは、近ころぶさくいなり」
② 人があえて積極的行為をしないこと。消極行為。作為に対する語。
※民法(明治二九年)(1896)四一四条「不作為を目的とする債務に付ては」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「不作為」の解説

不作為
ふさくい
Unterlassung

人の行為の一種で,消極的行為をいう。積極的行為 (人を殺す,金を渡すなど) を「作為」というのに対する。たとえば,競業をしない,騒音を出さないなど。不作為が法律上意味をもつのは,不作為債務不作為犯などについてである。

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世界大百科事典 第2版「不作為」の解説

ふさくい【不作為】

路上に倒れている病人を見捨てたまま通り過ぎるとか,立ち退きを要求されても住み慣れた住居から立ち退かないというように,現在の事実・事象に対して積極的に働きかける行動をとらず,それらの事実・事象を放置することを不作為という。外界に対して積極的に働きかける行動・挙動をいう〈作為〉とは対語をなす。
民法
 幼児が車ではねられたとき近くにいて注意しなかった通行人は,法律上の責任を問われることがあるか。これは,他人が権利侵害を受けたとき,みずからは消極的にふるまったにすぎない者も,権利侵害に積極的に関与した場合と同様,被害者に対し損害賠償義務を負わせられる場合があるか,という問題であるが,不作為が不法行為となるためには,権利侵害を回避するための特別の作為義務が存在しなければならない。

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