賃労働と資本(読み)ちんろうどうとしほん(その他表記)Lohnarbeit und Kapital ドイツ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「賃労働と資本」の意味・わかりやすい解説

賃労働と資本
ちんろうどうとしほん
Lohnarbeit und Kapital ドイツ語

カール・マルクス著。マルクスが1847年にブリュッセルのドイツ人労働者協会で行った講演を基にして、『新ライン新聞』に連載した論文で、以後、広くパンフレット版として出版された。そこでは、賃労働資本も、近代社会のブルジョア的生産関係における歴史的性格をもったものであり、その相互関係は対立的なものであることが明らかにされている。マルクスの経済理論が未熟なときに書かれたものであるが、近代社会の基本的階級の経済的基礎がわかりやすく説明されており、入門書として現在も広く読まれている。

[重田澄男]

『村田陽一訳『賃労働と資本』(大月書店・国民文庫)』『長谷部文雄訳『賃労働と資本』(岩波文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android