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賃労働 チンロウドウ

デジタル大辞泉の解説

ちん‐ろうどう〔‐ラウドウ〕【賃労働】

資本主義社会で、生産手段を所有していない労働者が自己の労働力を生産手段をもつ資本家に一つの商品として売り、その代価として賃金を受け取る労働の形態賃金労働

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百科事典マイペディアの解説

賃労働【ちんろうどう】

商品として売買される労働力によって遂行される労働。生産手段を奪われた無産者は,労働力を売って生活することを経済的に強制され,労働の代償として賃金を受け取る。労働が全部不払の形をとる奴隷労働,支払・不払部分が分割されている農奴労働に対し,全部支払の外観をとるが,実は賃労働の過程で剰余価値が生み出され,不払労働がなされる。
→関連項目賃金

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世界大百科事典 第2版の解説

ちんろうどう【賃労働 wage labour】

賃金収入を得るために雇用主に労働を提供すること。資本主義社会になって初めてこのような形態の労働が行われるようになった。奴隷や農奴の場合は,一定の時間決めで労働力を売るということはなかったし,また彼らは人格的にも主人や領主に従属していた。だから賃労働が支配的な形態となるためには,単なる社会への商品経済の浸透だけではなく,封建的な束縛から解放され,またこれといった生産手段をもたず,したがって生活手段ももたない,いわゆる〈二重の意味で自由〉な労働者が歴史的にまた恒常的につくりだされねばならなかった。

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大辞林 第三版の解説

ちんろうどう【賃労働】

工場・土地などの生産手段を所有しない労働者が、自らの労働力を一個の商品として資本家に売り、その反対給付として賃金を受けとるような労働形態。人格的に自由である点が、主人や領主に従属していた奴隷・農奴と異なる。賃金労働。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

賃労働
ちんろうどう
Lohnarbeitドイツ語
wage labour英語

人間の労働力が商品として販売され、その購買者(資本家)が労働力商品の対価として賃金を支払うことと引き換えに、彼のもとで労働力の販売者(労働者)が行う労働の形態をいう。賃労働はマルクスの経済理論の基本的概念の一つである。賃労働が成立するためには、自己の自由意志に基づいて労働力を販売することができ、かつ生産手段を所有していないため(生産手段から自由)、労働力を販売する以外に生活することが不可能な「二重の意味で自由な労働者」が存在していなければならない。
 賃労働の形成は資本主義成立の前提条件であり、また資本主義のもとで広く一般化する。つまり、賃労働なしには資本はありえないし、逆に資本なしに賃労働は成立しえない。資本主義社会は、商品の生産と交換が全面的に発展し、人間の労働力までも商品化されるようになった社会である。階級社会においては支配階級が生産手段を所有し、被支配階級は自分自身を維持するための必要労働を超えて支配階級のために剰余労働を提供することを強制されているが、資本主義の賃労働においては、剰余労働部分は隠蔽(いんぺい)され、労働者の労働すべてが賃金として支払われているかのごとく現れる。つまり賃金は「労働力」の価格ではなく「労働」の価格として現象する結果、搾取関係が覆い隠されてしまう。マルクスの理論では、資本主義が発展するにつれ資本のもとへの労働の従属は拡大・深化するが、同時に資本・賃労働関係を克服する変革主体として労働者階級の組織化が進むと考えた。[伍賀一道]

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世界大百科事典内の賃労働の言及

【労働】より

資本の提供者が富の生産のために機械体系を組織し,他の人間は賃金と引換えに労働を提供するという形態が普通となる。資本家と労働者が分岐し,生産は資本と労働という2要素で構成される過程となり,人間の活動である労働は賃労働という形態を帯びる。 変化の第3の重要な特徴は,機械が発達すればするほど,生産過程の中で機械の比重が高まれば高まるほど,その中で人間の活動つまり労働の果たす役割が部分的になっていくことである。…

※「賃労働」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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