山川 世界史小辞典 改訂新版 「賠償問題〔ドイツ〕」の解説
賠償問題〔ドイツ〕(ばいしょうもんだい)
reparation problem
ヴェルサイユ条約は,ドイツ側に第一次世界大戦のいっさいの責任を負わせ,損害賠償の義務を課した。賠償総額は天文学的数字の1320億金マルクと決まった(1921年)。ドイツは支払い能力がなく,1923年フランス,ベルギーのルール占領を招いた。空前のインフレ後,賠償支払いを合理化し,英仏の対米戦債の返済を促進するため,24年ドーズ案,29年ヤング案が成立したが,世界恐慌のため再び支払いは渋滞し,31年フーヴァー・モラトリアムが出された。翌年イギリスの提唱でローザンヌ協定が結ばれ,賠償額は大幅に削減されたが,ナチス政権成立後賠償支払いは打ち切られた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報