赤外線分光計(読み)せきがいせんぶんこうけい(英語表記)infrared spectrometer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「赤外線分光計」の意味・わかりやすい解説

赤外線分光計
せきがいせんぶんこうけい
infrared spectrometer

赤外線波長で分けて,そのスペクトルを調べるための装置。原理的には普通の分光計と同じであるが,波長が3 μm 以上になるとガラスプリズムやガラスレンズでは赤外線を吸収してしまう。そこで岩塩プリズム (15 μm まで) や反射型の回折格子が使われる。集光系もアルミメッキの凹面鏡が使われる。検出器熱電対ボロメータ,ゴレイセルなどの赤外線に感度のよいものが使用される。試料の吸収スペクトルを測定して,定性分析や定量分析をするのによく使われる。その後開発された方法にフーリエ赤外分光法がある。赤外光を光干渉計に入れ,出力光強度を可動鏡の移動距離の関数として測定し,そのフーリエ変換によってスペクトルを求める方法で,高分解,高感度で測定できる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

グレーゾーン解消制度

個々の企業が新事業を始める場合に、なんらかの規制に該当するかどうかを事前に確認できる制度。2014年(平成26)施行の産業競争力強化法に基づき導入された。企業ごとに事業所管省庁へ申請し、関係省庁と調整...

グレーゾーン解消制度の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android