赤沢岳・スバリ岳
あかざわだけ・すばりだけ
爺ヶ岳と針ノ木岳の間に位置し、この間には岩小屋沢岳(二六三〇・三メートル)・鳴沢岳(二六四一メートル)・赤沢岳(二六七七・八メートル)・スバリ岳(二七五二メートル)の諸峰が屏風のように立並び、立山町と長野県大町市の境界をなしている。越中の古絵図はおおむねこれら個々の峰を記載せず、後立山(鹿島槍ヶ岳)の峰続きの起伏程度に扱っている。ただし江戸時代末期の黒部大川筋絵図(吉沢家蔵)には余沢峯という山をかなり写実的に描き、黒部谷に派出した岩山を描き添え、角鷹ヶ岳と記している。この図は赤沢岳が猫の耳の奇峰を押立て黒部峡谷に迫っている光景さながらであり、余沢峯(岳)は赤沢岳にあたるのであろう。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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