山梨県南端,南都留(みなみつる)郡の村。人口2964(2010)。富士山北麓に位置する。村の北部に東海自然歩道が通る足和田山があり,西には青木ヶ原の大樹海が広がる。富士山の溶岩流地帯で生産性に乏しく,林業を主体に養蚕,雑穀栽培などが行われてきたが,近年はキャベツ,ダイコンを中心に高原野菜の生産が盛んである。1964年富士スバルラインが通じたことにより,広大な高原地帯にゴルフ場や別荘地が造成され,富士五湖観光の一中心となっている。鳴沢溶岩樹型(特天),神座風穴(天),鳴沢氷穴(天),大室洞穴(天)など富士山の火山活動による特異な地形がある。村の中心部を河口湖バイパス(国道139号線)が通り,テニスコート,ゴルフ場などが多く造られ,86年には富士天神山スキー場が開設された。
執筆者:萩原 毅
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
山梨県南東部、南都留郡(みなみつるぐん)の富士山北麓(ほくろく)にある村。国道139号が通じる。標高1000メートル内外に位置する高冷地の農村で、耕地のほとんどは畑で占められ、トウモロコシ、ダイコン、キャベツなどの野菜栽培が盛んである。河口湖、西(さい)湖に近く、夏の冷涼な気候は避暑地として適し、富士スバルライン開通後、別荘地やゴルフ場が富士山麓の高所に設けられ、旧集落付近もドライブイン、モーテルなどが増加し、観光地化が進んでいる。特別天然記念物に鳴沢熔岩樹型(なるさわようがんじゅけい)、国の天然記念物に鳴沢氷穴、神座風穴(じんざふうけつ)、大室洞穴(おおむろどうけつ)がある。面積89.58平方キロメートル(境界一部未定)、人口2824(2020)。
[横田忠夫]
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