鳴沢(読み)なるさわ

精選版 日本国語大辞典 「鳴沢」の意味・読み・例文・類語

なる‐さわ‥さは【鳴沢】

  1. 〘 名詞 〙 流れの鳴り響く沢。高く音を立てて流れる渓流
    1. [初出の実例]「さ寝(ぬ)らくは玉の緒ばかり恋ふらくは富士高嶺の奈流佐波(ナルサハ)のごと」(出典万葉集(8C後)一四・三三五八)

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改訂新版 世界大百科事典 「鳴沢」の意味・わかりやすい解説

鳴沢[村] (なるさわ)

山梨県南端,南都留(みなみつる)郡の村。人口2964(2010)。富士山北麓に位置する。村の北部に東海自然歩道が通る足和田山があり,西には青木ヶ原の大樹海が広がる。富士山の溶岩流地帯で生産性に乏しく,林業を主体養蚕,雑穀栽培などが行われてきたが,近年はキャベツダイコンを中心に高原野菜の生産が盛んである。1964年富士スバルラインが通じたことにより,広大な高原地帯にゴルフ場や別荘地が造成され,富士五湖観光の一中心となっている。鳴沢溶岩樹型(特天),神座風穴(天),鳴沢氷穴(天),大室洞穴(天)など富士山の火山活動による特異な地形がある。村の中心部を河口湖バイパス(国道139号線)が通り,テニスコート,ゴルフ場などが多く造られ,86年には富士天神山スキー場が開設された。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鳴沢」の意味・わかりやすい解説

鳴沢(村)
なるさわ

山梨県南東部、南都留郡(みなみつるぐん)の富士山北麓(ほくろく)にある村。国道139号が通じる。標高1000メートル内外に位置する高冷地の農村で、耕地のほとんどは畑で占められ、トウモロコシ、ダイコン、キャベツなどの野菜栽培が盛んである。河口湖、西(さい)湖に近く、夏の冷涼な気候避暑地として適し、富士スバルライン開通後、別荘地やゴルフ場が富士山麓高所に設けられ、旧集落付近もドライブイン、モーテルなどが増加し、観光地化が進んでいる。特別天然記念物に鳴沢熔岩樹型(なるさわようがんじゅけい)、国の天然記念物に鳴沢氷穴、神座風穴(じんざふうけつ)、大室洞穴(おおむろどうけつ)がある。面積89.58平方キロメートル(境界一部未定)、人口2824(2020)。

横田忠夫


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