赤羽工作分局(読み)あかばねこうさくぶんきょく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤羽工作分局」の意味・わかりやすい解説

赤羽工作分局
あかばねこうさくぶんきょく

明治初期の官営機械製作工場。1870年(明治3)閏(うるう)10月に新設された工部省のもとで、翌1871年10月、東京・芝赤羽の旧久留米(くるめ)藩邸跡に開設された製鉄寮がその前身。1873年赤羽製作所となった。旧佐賀藩所有の工作機械や材料を引き継ぎ、外国人技師を雇って、農具、機械、鉱山・鉄道用品のほか、蒸気機関や紡績機などを試作した。1877年赤羽工作分局と改称し、品川、深川工作分局とともに、工部省所管のもとで多額の出資がなされ、当時の機械工業部門の中枢にあった。1883年廃止され、その設備は海軍省へ移管された。

[石塚裕道]

『大蔵省『工部省沿革報告』(大内兵衛・土屋喬雄編『明治前期財政経済史料集成 第17巻』1931・明治文献・所収)』

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旺文社日本史事典 三訂版 「赤羽工作分局」の解説

赤羽工作分局
あかばねこうさくぶんきょく

明治初期,東京三田赤羽に設立された官営機械製作所
1871年工部省のもとに,旧肥前藩納付の機械を用いて赤羽製鉄寮として開設。蒸気機関・紡績機械など各種機械の製作と技術者養成を進め,'73年赤羽製作所,さらに'77年赤羽工作分局と改称。'83年海軍省に移管し,官営軍需工場となった。

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