超重元素(読み)チョウジュウゲンソ

デジタル大辞泉 「超重元素」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐じゅうげんそ〔テウヂユウゲンソ〕【超重元素】

現在はまだ見つかっていないが理論的に存在が予測される、原子番号質量数が大きな元素。または人工的に作り出された原子番号92のウランより重い超ウラン元素や原子番号103のローレンシウムより重い超アクチノイド元素を指す。超重原子

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「超重元素」の解説

超重元素
チョウジュウゲンソ
superheavy elements

核物理学によれば,液滴模型による核分裂障壁が消失し殻構造模型による安定化が現れる元素と定義され,原子番号104のラザホージウム以降の重元素をいう.103番ローレンシウムアクチノイドが終了するので,超アクチノイド元素ともいえる.以前,原子番号114付近に陽子数,中性子数ともに魔法の数の長寿命核種が存在すると考えられ,36 kg の金塊から月の岩石に至る広範囲の試料まで追跡されたが見つからなかった.最近の計算によれば,120番元素がより安定であるとされる.2006年秋までに原子番号112~116,118の元素の合成が報告されているが,原子番号113の核種のなかには異常に長い半減期20 min を示すものもある.1999年に報告された116,118番元素の合成はデータねつ造の疑いで論文が取り下げられた.2009年現在,正式にIUPACにより承認されたもっとも重い元素は原子番号111のレントゲニウムRgである.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android