日本大百科全書(ニッポニカ) 「アクチノイド」の意味・わかりやすい解説
アクチノイド
あくちのいど
actinoids
周期表第7周期第3族に属し、89番元素アクチニウムから103番元素ローレンシウムまでの15元素の総称。古くはアクチニド系列あるいはアクチノンなどとよばれたこともあるが、これらの用語は現在では認められていない。また、アクチニウム以外の14元素をアクチニドといっていたが、しだいに混同されアクチニウムをも含むように使われたことがある。現在ではアクチノイドに統一されている。いずれも放射性元素であるが、ネプツニウム以後の元素は、1939年以降人工的に製造された元素である。周期表中ではランタノイドの下に位置し、希土類元素とよく似た化学的性質をもっている。とくにアメリシウム以後の元素は、対応するランタノイドとよく似ている。しかし、ランタノイドが原子価3を中心とし、2あるいは4をとるものがあるのに対し、アクチノイドは原子価3のほか、4、5、6をとる元素が多くあるなど、かなり違った点もみられる。なお、原子番号93番以上の元素を超ウラン元素、また、97番以上の元素を超キュリウム元素ということもある( )。
[中原勝儼]