レントゲニウム(読み)れんとげにうむ(英語表記)roentgenium

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レントゲニウム」の意味・わかりやすい解説

レントゲニウム
れんとげにうむ
roentgenium

周期表第11族に属する人工元素で超フェルミウム元素の一つ。原子番号111の元素。元素記号Rg。名称X線の発見者であるドイツレントゲンにちなむ。1994年、ドイツのダルムシュタット重イオン研究所のホフマンSigurd Hofmann(1944― )と共同研究者らはビスマス209(209Bi)にニッケル64(64Ni)を衝突させてレントゲニウム273(273Rg)を得た。273Rgは中性子を放出して272Rgとなり、ついでα(アルファ)崩壊によって順次マイトネリウム268(268Mt)、ボーリウム264(264Bh)、ドブニウム260(260Db)、ローレンシウム256(256Lr)、メンデレビウム252(252Md)を生成する。さらにホフマンらは2002年このことを追実験によって確かめている。国際純正・応用化学連合(IUPAC:International Union of Pure and Applied Chemistry)と国際純粋・応用物理連合(IUPAP:International Union of Pure and Applied Physics)の共同作業部会(JWP:Joint Working Party)は2003年このことを確認し新元素であることを認めた。

[中原勝儼]



レントゲニウム(データノート)
れんとげにうむでーたのーと

レントゲニウム
 元素記号  Rg
 原子番号  111
 原子量   (272)
 融点    ―
 沸点    ―
※括弧内の数値は原子量ではなく、同位体質量数一例

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レントゲニウム」の意味・わかりやすい解説

レントゲニウム
roentgenium

人工元素の一つ。元素記号 Rg。原子番号 111。1994年ドイツのダルムシュタットにある重イオン研究所 GSIのジグルト・ホフマンらは,ビスマス209にニッケル64を衝突させて質量数 273の 111番元素を得た。質量数 273の 111番元素は中性子を放出して質量数 272の 111番元素となり,さらに崩壊して質量数 252のメンデレビウムなどを生成する。2003年国際純正・応用化学連合 IUPACおよび国際純粋・応用物理学連合 IUPAPは,新元素であることを認めた。名称は X線の発見者であるドイツのウィルヘルム・コンラート・レントゲンにちなむ。

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