国指定史跡ガイド 「越中五箇山相倉集落」の解説
えっちゅうごかやまあいのくらしゅうらく【越中五箇山相倉集落】
富山県南砺(なんと)市相倉にある合掌造りの集落。県の西南端、岐阜県境の山間に残り、庶民の山村生活の姿を今に伝えている。近世には五箇山地方では米がとれなかったため、加賀藩の庇護のもと、特殊産業として認められた煙硝(えんしょう)、養蚕、紙漉(す)きが生業で、合掌造り民家はこれらの生業に適した構造をしている。庶民の山村生活を知るうえで貴重なことから、1970年(昭和45)に国の史跡に指定された。相倉集落には、合掌造りの建物が24棟あり、そのうち人が住んでいる民家は11棟。村域は鹿熊(かくま)峠、朴(ほお)峠、細尾峠、高坪山にまで及び、見座(みざ)、中畑、来栖、梨谷(なしたん)、下梨の村域と複合して広範囲にわたっており、1995年(平成7)に岐阜県の白川郷(しらかわごう)(白川村)と合わせ、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として世界遺産に登録された。JR北陸本線高岡駅から加越能バス「相倉口」下車、徒歩約5分。