日本建築の形式の一つ。二つの材を三角状にあわせた扠首(さす)を合掌という。岐阜県高山市、白川村から富山県南砺(なんと)市にかけての山村農家では、小屋裏を「あま」とよび、蚕室に利用するため、大きな合掌を入れ3階、4階をつくる。したがって、屋根は高い切妻(きりづま)屋根となり、妻には採光のために明(あかり)障子が入れられ、独特な外観をみせる。飛騨(ひだ)・越中(えっちゅう)の国境(くにざかい)一帯に分布するこの種の高い合掌をもつ民家を合掌造と総称する。飛騨の合掌造は平(ひら)入り、越中の合掌造は妻入りが多く、平面も村ごとにそれぞれ特徴があって興味深い。
[工藤圭章]
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…(9)湖北地方の民家 琵琶湖の北岸地方には,棟端に割り竹を扇状に飾った民家が多く,古くは居間を,土間に籾がらを置き筵を敷いた土座にしていたことで名高い。(10)合掌造 庄川上流地域の五箇山(富山県)や白川(岐阜県)地方に見られる。茅葺きの切妻造,または入母屋造で巨大な合掌(叉首(さす))を組み,妻を大きく見せ,屋根裏に簀の子天井(アマ)を二重,三重に設け,妻面から採光する。…
…民家では,地方によって屋根の形が異なり,呼び方も違う。平面L字形で寄棟造や入母屋造の茅葺きとした曲屋(まがりや)(岩手,茨城,千葉)あるいは中門造(秋田,山形,福島,新潟),こう配が強く棟の高い切妻造茅葺きとした合掌造(富山の五箇山,岐阜の庄川地方),寄棟造茅葺きの妻側の軒を切り上げたかぶと造(山形,福島,東京西部,山梨),平面正方形に近くこう配の緩い切妻造板葺きの本棟造(長野),寄棟造茅葺きの棟がコの字形となるくど造(佐賀)がある。なお神社の権現造や,民家で多くの飾り破風などをつけて複雑な形となった屋根を八ッ棟造と呼ぶこともある。…
※「合掌造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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