越智広江(読み)おちのひろえ

朝日日本歴史人物事典 「越智広江」の解説

越智広江

生年生没年不詳
奈良時代学者文人。養老4(720)年には大学明法博士とみえ,5年には明経第一博士とあるから,法律にも儒学の基本経典についても学業に優れていたことが知られる。越智氏はもと伊予国越智郡(愛媛県)の豪族。広江はその学識を尊重され,役所を退庁したのちは,東宮(首皇子,のちの聖武天皇)に近侍することを養老5年1月に命令されている。首皇子の養育に当たったものと思われる。また『家伝』によると神亀(724~29)ごろ宿儒として重要な地位を占めていたことが知られる。『令集解』では養老4年の格(法令)や,神亀4年の格の立案に参加しているから,法律制定の実務にも長じていたらしい。

(鬼頭清明)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「越智広江」の解説

越智広江 おちの-ひろえ

?-? 奈良時代の学者。
養老5年(721)明経(みょうぎょう)第一博士となり,聖武(しょうむ)天皇(在位724-749)につかえた。神亀(じんき)のころ宿儒としておもんじられた。その詩は「懐風藻(かいふうそう)」にみえる。姓は越知とも。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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