足袋沓(読み)たびぐつ

精選版 日本国語大辞典 「足袋沓」の意味・読み・例文・類語

たび‐ぐつ【足袋沓・足袋靴】

  1. 〘 名詞 〙 足袋の形をした革製の沓。黒漆・青漆などで塗り、踵(かかと)部分に別の革をあて、鉄の鋲を打つ。江戸時代、市中巡検の役人、また、花柳界下僕や駕籠かきなどが用いた。
    1. 足袋沓〈守貞漫稿〉
      足袋沓〈守貞漫稿〉
    2. [初出の実例]「単皮履(タビクツ)紺のくつ足袋うらは白さし」(出典洒落本当世風俗通(1773)中之息子風)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の足袋沓の言及

【地下足袋】より

…同年の関東大震災後の東京で,復興作業のために需要が増え,1月の日産約1000足から年末には日産1万足に達したという。指股の分かれた労働用の履物は,江戸時代には革製の足袋沓(たびぐつ)があり,また農山村では補強のために刺子をほどこした足袋とわらじを履いていた。足指が開いてふんばりのきく地下足袋は,労働用の履物の機能をよくいかしたもので,現代でも土木,造船,建築などの作業に欠かせないものとなっている。…

※「足袋沓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android