跡式・跡職(読み)あとしき

大辞林 第三版の解説

あとしき【跡式・跡職】

中世・近世、相続の対象となる家督や財産。また、それを相続すること。
家督や財産を相続する人。跡目あとめ

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

あと‐しき【跡式・跡職】

〘名〙
① 相続の対象となる家督または財産。また、家督と財産。分割相続が普通であった鎌倉時代には、総領の相続する家督と財産、庶子の相続する財産をいったが、長子単独相続制に変わった室町時代には、家督と長子に集中する財産との単一体を意味した。江戸時代、武士間では単独相続が一般的であったため、原則として家名と家祿の結合体を意味する語として用いられたが、分割相続が広範にみられ、しかも、財産が相続の客体として重視された町人階級では、財産だけをさす場合に使用されることもあった。
※今川仮名目録‐追加(1553)一一条「父の跡職、嫡子可相続事勿論也」
※三河物語(1626頃)一「松平蔵人殿舎弟の十郎三郎殿御死去なされければ、御跡次(あとつぎ)の御子無しと仰せ有つて、其の御跡式(アトシキ)を押領(をうれう)し給ふ」
※禁令考‐別巻・棠蔭秘鑑・亨・三・寛保三年(1743)「怪敷儀も無之におゐては、譲状之通、跡式可申付」
③ 家督相続人。遺産相続人。跡目。あとつぎ。
※俳諧・大坂独吟集(1675)下「頓死をなげく鶯の声 跡識の公事は霞てみとせまで」

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